「少年の名はジルベール」(竹宮恵子)を読んだ。

「風と木の詩」が好きすぎるので、竹宮恵子先生の自伝を読んだ。
自伝というか萩尾望都と竹宮恵子が共同生活をしていた「大泉サロン」時代の回顧録。これが超感動作であったので、そのあたりのマンガ家が好きな方は必読。というか満身創痍の「創作論」「芸術論」でもあるので、クリエイターさん必読かも。

1950年生まれで生粋のレジスタンスであられる竹宮先生は、学生運動にも興味を抱き、マンガ業を1年間休んで学生運動に参加している。そして「あの学生たちは自分が主張している言葉の意味も分かっていない」「みんなまず実力をつけてから自分が得意な分野で革命を起こすべきだ」「私は少女マンガで革命を起こす」と語る。しかしその道は困難で、既定路線しか認めない出版社に絶望し、ライバル萩尾望都への嫉妬と劣等感に苦しむ。前例のあるものしか認めない組織、男女差別、雇用の不安、といった社会構造も普遍的なものなのだと分かる。しかし、やがて竹宮先生は外的、内的な困難を克服して、ついに「少女マンガで革命を起こす」ことに成功するのだ。
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