「映像」カテゴリーアーカイブ

ATARI Gameover(2014)

「ATARI gameover(2014)」を鑑賞。

ATARIは伝説のクソゲー「ET(1982)」の失敗を隠蔽するために、ニューメキシコの砂漠に大量のETカセットを埋めた、という都市伝説が長年流布していた。その真相を確かめるべく埋蔵地を特定して発掘するプロジェクトを追ったドキュメンタリー映画。おもしろおかしく作られたyoutuber的なものかと思いきや、すごく誠実かつ熱い想いのこもった作品であったよ。必見。

ETの開発者って「Yars revenge(1982)」などもヒットさせた若きスーパースタープログラマーだったんだけど、ETの失敗〜ATARIの零落でゲーム界から追放されて、その後は職を転々とするような悲劇的な運命の人。本人がずっとインタビューに答えていて、最後は発掘現場にも同行するの。その様子が、なんかすごく感動的なんだよ。発掘の瞬間を見届けようと、現場には全米各地からヲタクたちが集合していて「レディープレイヤーワン」原作者もデロリアンにET 同伴で登場するの。こんなに多くの人々に強い印象を残したETはクソゲーといえるのだろうか?的なオチ。

とても才能のあるクリエイターが、強い渦に巻かれて叩き落とされる感じとか、そういう殉教者の上に文化が積み上がっていく感じとか、いろんな事を示唆する作品。そしてこのATARIの墓場の上に建てられた巨大な神殿がファミコンだよね。

「モーリス・4K」に惑う

「モーリス(1988)4K」を観てきた。

もう素晴らしすぎてね…。何から語ればいいのか分からん。青年たちも衣装もイギリスの古い屋敷も雨も霧も、何もかも美しすぎ。新宿の角川シネマなので、劇場を出た途端モーリスの世界とは真逆の醜悪な景観の中に放り出されるわけですよ。やり場のない怒りがこみ上げますよ。

「モーリス」は中学生の頃に初めて観て、5、6年前にまた観て、今回初めてスクリーンで鑑賞したのだが、毎回印象が変わる。ティーンの頃はBL&イギリス貴族という黄金設定にひたすら萌えるのだけど、結局ラストシーンの意味とかよく分からないんだよ。5、6年前に観た時は、モーリスの生き様が普遍的な「魂の解放」を意味することが理解できたので、以前とは全く違う感動に包まれた。そして今回は大きいスクリーンで鑑賞できたこともあり、衣装や美術の素晴らしさに圧倒されると同時に、この映画はLGBTの権利が当然のものとされるようになった現代においては、まっとうな普通の話である、ということに気がついた。

原作者のフォースターは20世紀初頭に「モーリス」を著したのだが、当時のイギリスで同性愛は重大犯罪であったので、作品が出版されたのはなんとフォースターの死後1970年代になってからなのだ。

1988年に映画化された際も、今ほどLGBTは「普通のこと」とは見なされていなかったから、ジェームス・アイボリー翁の執着心は相当なものだったのではないかと思う。そういう消化されない想念が画面の中で雲母のようにキラキラ光っている。もし今同じスタッフで同じ作品を撮っても、こんな重力を持った映画にはならなかったのではないだろうか。当時ほど抑圧がないから。

実際、青年たちがキラキラ綺麗に撮られすぎ。衣装がまたカッコいいしね。ケンブリッジで船あそびする時のパナマ帽とニットとか、正装のタキシードとか、ギリシャ旅行の際のベージュのリネンのスーツとか、ほんと素敵なの。それにひきかえ女性たちのモジャモジャヘアーとズルズルしたドレス姿の野暮ったいこと。ああ、きっとジェームス・アイボリー翁には、女性はこんな風に見えているんだなあ、と思ったよ。

ラストシーンがまた最高なんだよね〜。あの無慈悲な短いエンディング。短いといえば、テンポが早い早い。最低限のセリフと動作でどんどん話が進みますよ。

とにかく本当に素晴らしいので、好きな人は必ず劇場で観た方がいいよ!

上映が終わった後、この小さい劇場でそわそわと一緒に観劇した女性たちと「名曲喫茶ランブル」にでも移動して、モーリス話をしたらめちゃくちゃ盛り上がって心の友になれるかも、と妄想した。それくらい、モーリスという作品があの頃の少女たちに与えたインパクトはフェイタルだったんですよ。

「真夜中の天使(栗本薫)」に美女と美少年の悲劇を想う

「真夜中の天使」(栗本薫著)は、TBSのカルト・ドラマ「悪魔のようなあいつ(1975)」へのオマージュ的な小説。

「悪魔のようなあいつ」の内容を超ざっくり説明すると以下のような感じ。主演の可門良(沢田研二)が、実は3億円事件の犯人で、時効までなんとか逃げ切ろうとしているのだが、死病におかされていることも発覚。ジュリーの運命やいかに?!

ただし、重要なのはストーリーではなく、ジュリーの幻惑的な存在感そのものなのである。可門良ジュリーは、BL、男娼、犯罪者、死病、歌手、孤児、ネコ好き、という全ての萌え要素がぶち込まれたキャラで、22時からお茶の間で垂れ流されていたことがにわかには信じがたいような尊い内容のドラマなんですよ。この説明にピンっときた人は、絶対にハマると思うのでぜひご覧くださいね。

追記・可門良ジュリーの衣装についてまとめたこのサイトが素晴らしい。
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ロシア東欧旅行3日目(2018/7/16)

成田
ヘルシンキ
サンクトペテルブルク←今ここ
モスクワ
ワルシャワ
クラコフ
ブダペスト
ドバイ
羽田

7/16

サンクトペテルブルクの朝。
寝室に遮光カーテンがないのでどうなんだろう、と思ったのだが、自然に目が覚めて意外と良かった。

ところで民泊って鍵の完全管理が不可能なので、誰かが侵入してきたらどうしよう恐怖感があるよね。内側からの頑丈なロックがあればまだいいんだけど、この物件にはそういう補助鍵も付いてない。大勢で泊まるならまあいいけど、一人とかだったら無理かも。

窓は中庭に面している。ヨーロッパのこういう建築様式いい。

イトコがチェコの農園からもらってきた完全自家製ハチミツうますぎ。ヘルシンキの駅で買ったイチゴとベリーを潰して作ったヨーグルトドリンクもうますぎ。イトコは料理上手なんだよ。センスが良くて器用なの。 続きを読む ロシア東欧旅行3日目(2018/7/16)

飛びかかる「バイオハザード・ヴェンデッタ」

「バイオハザード・ヴェンデッタ」をお台場で観てきた。バイオハザードのCGアニメは毎回本当にクオリティが高いので、今回も期待しまくって挑んだのだが、いやはやあっさりと期待のハードルを超えて飛びかかってきたので、本当にうれしい。

水戸黄門的に毎回ほぼ同じストーリー。

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開田裕治画伯の筆による「ラーマの肖像」

本日は先帝ラーマの命日「ラーマ忌」である。

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実はこの日のためにスペシアルな記念品を用意した。

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ジャジャーン!!
開田裕治画伯の筆による「ラーマの肖像」!! 続きを読む 開田裕治画伯の筆による「ラーマの肖像」

ド底辺SATCによる3K労働映画「ゴーストバスターズ(2016)」

「ゴーストバスターズ(2016)」がすごく良かったよ!1984年のオリジナル・ゴーストバスターズは、アイデア勝ちなだけで中身はつまらなかったけど、今回のは面白い!

前作はもちろん、エクソシストやシャイ二ングなど、過去ホラー作品へのオマージュが豊富で、前作キャストもチョイ役でウロウロ出てきます(1984年にゴーストバスターズが事務所として使っていた倉庫を借りようとしたら、あの倉庫が実はインダストリアル風味の超オシャレ物件で、高すぎて借りられないっ、というネタが好き)。

この10年くらい、 続きを読む ド底辺SATCによる3K労働映画「ゴーストバスターズ(2016)」

「ヤング・アダルト・ニューヨーク(2014)」を観て己を客観視する

同世代(アラフォー)の友達が絶賛していたので、試しに観に行ってみた。
WHILE WE’RE YOUNG 「ヤング・アダルト・ニューヨーク」。

「ナイト・ミュージアム」シリーズが大好きなので、ベン・スティラーも好き。
ナオミ・ワッツはアラフォー女の悲哀を演じたら右に出る者はいない。
アダム・ドライヴァーは「フォースの覚醒」でまさかこいつがポスト・ベイダー卿?のカイロ・レン。 続きを読む 「ヤング・アダルト・ニューヨーク(2014)」を観て己を客観視する

変態大型ネコ映画「ロアーズ(1981)」

全てが異常。
変態大型ネコ映画「ロアーズ(1981)」を観た。

最近リバイバル上映されたりDVDリリースされたりしたので、洗練された予告編が作られているけど、実際はこんなまともな内容ではない。150頭の大型ネコ族が出演し、画面の中は常にライオンやトラが押し合いへし合いしている状態。 続きを読む 変態大型ネコ映画「ロアーズ(1981)」