伊豆高原のリゾート・マンションに向かう途中、川奈ホテルに立ち寄ってみた。
帝都建築!
1900~1930くらいの時期に建てられた和洋折衷の建築って、超絶かっこいいですよね!
メインのサロンたるやこのありさま。
サロンの隣には「上映室」なるものまである。
上流社交サロンだった時代には「去年マリエンバードで(1961)」みたいな光景が繰り広げられていたのだろうか?
妄想が止まらん。
嵐の夜に性格の悪い女優が殺されて、ポアロが登場しそう…。
あるいは館から一度も出たことがない四重奏団が現れそう…。
スマホで撮影していたら、初老の執事が現れて、館内の保存の苦労などについて色々教えてくださったよ。椅子などもなるべく交換しないで往時の状態を残す努力をしていて、ソファ類は限界までメンテナンスを重ねているので、すでに80歳を超えているという。
その努力は確かに館内のただならぬオーラとなっている。
日本は古い貴重な建築をぶっ壊して、テナントパンパンに詰められる悪趣味なビルに建て替えがちだよね。
だから、時々こういう「時間」と「手間」に対する愛に溢れた空間と出会うと、本当に幸福な気持ちになる。
美しい。
隣にはカフェとして営業しているサンルームがある。
そこで「マリリン・モンロー・オムライス」を注文。
マリリンが新婚旅行(実態は朝鮮戦争の兵士慰問)で川奈ホテルに滞在中召し上がったメニューだそう。
サンルームからは、プールとゴルフコースが一望できる。
庭に出て外からサンルームを見たところ。
古い昔話風の家がさりげなく建っている。
実は贅沢な「田舎ごっこ」用に造られた仰木魯堂作の藁葺き小屋。
マリー・アントワネットも田舎風の小屋を建てて遊んでいたそうなので、富豪や王族は、そういうのが好きなんでしょうね。
この一見なんてことなさそうな田舎家、メンテナンスにどんだけ手間とお金がかかっているのやら…。
ここは箱根富士屋ホテルと同じレベルの貴重な文化財ホテルなのに、あまり上手に宣伝されていないのがもったいないですね。っていうか、広々とした美しいゴルフコースとか海景観も付属するので、トータルでは富士屋ホテル以上の魅力があるかも。
川奈ホテルは、大倉喜七郎が英国留学中に滞在した貴族のカントリーハウスに感銘を受けて、それをなるべく忠実に再現したものなのだそう。
なので、そういう雰囲気が好きな人は絶対行くべし。
年間30日程度旅行をしているけど、ほとんどのホテルをHotels.comで予約している。
10泊すると、その10泊の平均1泊料金分の宿泊券がもらえるので、事実上表示価格の1割引き。特に海外のホテルを予約する際、いつも10社程度を料金比較しているけどHotels.comが95%くらいの確率で最安。
最近プリンスホテルに買収されたみたいなので、ヘンな風に改造されないかちょっと心配。
「川奈ホテルは本物の貴族の館だった」への1件のフィードバック