中南米旅行 2017/8/4

〜旅程〜
成田
ロサンゼルス
マイアミ
グアヤキル
サン・クリストバル島(ガラパゴス)
ガラパゴス・レジェンド・クルーズ←現在地
サンタ・クルス島(ガラパゴス)
キト
メキシコシティ
ハバナ
ロサンゼルス
成田

8/4
明け方にドカンドカン!と大きい音がした後、船がグラングラン揺れ始めて、テーブルの上のモノが全部落下した。沈没するのかと思って緊張した。要するにエンジンを加速して高速運転し始めたという事らしい。窓の外を見ると船が勢い良く波をしぶき上げながら進んでいる。エンジン音は破裂するような音で、ドカドカドカ!という大音量。
もともと波の高い地域なのでダイナミックに揺〜れ〜る〜。ガラパゴスレジェンドはそこそこ大きい船(全長100メートル、ガラパゴス周遊船では最大)だけど、横たわっていても酔〜う〜。酔い止めと胃腸薬を飲んでも気持ち悪くてなかなか眠れない。

ようやくウトウトし始めた頃「お前ら起きろ!朝飯が出来たぞ!たらふく食え!朝飯食べたらすぐにスノーケリングだ!」といった内容の筋肉ムキムキ放送が流れ出す。


ヨーグルトくらい食べてまた薬飲もうと思ってふらふらレストランに赴くと、そこには朝から元気いっぱいでガツガツ喰ってすぐにでも海に飛びこまんという威勢の良い欧米人たちの姿が…。日本人が戦争で負けるわけだよ。あいつらの体力には絶対かなわないから。まあ、私は日本人の中でもとりわけ弱い個体なのだが。


朝食の後、ラウンジでブリーフィングがある。その日のアクティビティに関する説明や注意事項を聞く時間だ。船内のコミュニケーションは英語かスペイン語。つまりある程度英語で聞き取りと会話ができないと困る。私はそんなに英語が得意なわけではないのだが、ガラパゴスの動物の名前や環境問題などについて事前に英語の文章を読んでおいたので、理解できない単語はほとんどなくて問題なかった。そういった予習を強くオススメします!ガイドたちは専門教育を受けたエリートなので、聞き取りやすい明瞭な英語を話してくれる。もし日本人が他にも参加していれば、後で聞き取れなかった部分を教えてもらうこともできるけれど、日本人が同乗している可能性は低いと思う。8月のお盆期間とかなら可能性高いかな?

ブリーフィングの後、ウェットスーツが必要な人は道具部屋に行って試着する。自分に合うギアを選んだら、番号が書かれた袋にそれらを入れる。そしてスノーケルなどをする際には毎回その番号の袋を持って出かける。私はガチ・スノーケルは怖いからしないつもりだったので、この試着会に参加しなかった。スノーケルの道具とライフベストだけ借りた。でもほぼ全員が自分用のスーツを選んでいたし、私も後からウェットスーツ借りれば良かったと思ったよ。普通に海で遊ぶだけでもウェットスーツはあった方が便利。多少防寒性もあるし。とりあえずレンタルしておくことをオススメする。

寝不足で体調悪いのに、予定は無慈悲に進む。午前のアクティビティはエスパニョーラ島のGardner bayだ。

ガラパゴスの無人島遊びは何を着ればいいのか分からなくて事前にかなり悩んだ!ご参考までに私の装備を公開します。
水着(タンキニ)の上からラッシュガードの半袖、スパッツ、短パン、keenのウォーターサンダルを着用。もちろん濡れても大丈夫な帽子と寒い可能性があるのでスェットのパーカーも羽織る。カメラはジプロックに入れてリュックに入れる。スマホは完全防水ケースを装着済み。防水性能がないカメラは気をつかうので、結局ほとんどiphoneのカメラで撮影していた。
ウェットスーツは船の中で着替えるのではなく、ビーチに持って行って、その場で水着の上から着る。なので人前で問題なく着替えられるようなピッタリしたラッシュガードの上下などを着ているのが一番無難。ただし、それだけだとボート移動中など寒いので、上にパーカーなどを羽織れば良い。寒い時期でもゴアテックス的なハードな上着は必要なかった。少し厚みのあるスエットか薄手フリースなどで大丈夫。逆に11月〜4月くらいの暖かい季節でも日よけのための長袖は必要。
泳いだ後、着替えないと寒いんじゃないかと心配していたんだけど、日差しが強くて水着は乾きやすいし、大きいタオルにくるまっていれば大丈夫だった。タオルは船でもらえます。
上陸する場所によってはハチが沢山いることもある。虫除けは必須。黄色とか花を想起させる派手な色にはハチが寄ってくるので、地味色が安全。ライフベストが派手な黄色で、それにハチがたかって怖かった。


これを着ていた。サイズがタイトなので、ワンサイズ上げることをオススメします。


keenのウォーターサンダルは必需品。他のゲストもだいたいこういう靴履いてた。


パッカブルタイプのリュックはすごく重宝した!増えた荷物やお土産を持ち帰るのにも使ったし、普通のリュックと違ってペラペラなので洗濯が容易なのもいい。ガラパゴスのアクティビティは、リュックしょったまま海につかってしまったり、ビーチで砂まみれになったり、とにかく汚れるからね。


こんなのを両腕とバッグに付けていた。

班ごとに下船口に呼び出されて、ライフジャケットを着てゴムボートに乗りこむ。ヤマハのエンジンがついたボートはけっこうスピードが出る。5分くらいでビーチに到着。

理想郷。


子供アシカは好奇心旺盛で人間をガン見。毎日人間が上陸しているはずなので「今日も遊んでくれる生物が来た」みたいな気分なのかな。


怖いボスがいないな。どこにいるんだろう。トラウマがあるので、ボスには礼を尽くすぞ。


藻、カニ、貝殻などの雑味ゼロの白いパウダーサンド。ガリガリ君色の海。
そんな夢のようなパラダイスにアシカの子供の死体。アシカは自分の子供しか育てないので親が育児放棄したり何かあって戻ってこなかったりすると死んでしまうのだそう。とても悲しいのだけれど何か幽玄なる美しさも感じさせる光景であった。

楽園めいたガラパゴスであるが90年代にはエルニーニョ現象のせいで諸島内の動物の6割が死んだそう。しかしそれは自然による淘汰であり、4割生き残った動物たちは選ばれし遺伝子なのだから素晴らしい事なのだ、とガイドさんが言っていた。
私がガラパゴスのアシカだったら、間違いなくその時に淘汰されていると思う。


カッショクペリカンも全然人を怖がらない。一緒に浮けるよ。


沖の方に行ってスノーケリングするツアーとグラスボートで海の中を見物するツアー、どちらか好きなものに参加できる。沖のスノーケリングはけっこうハードだと聞いていたので、私は当然グラスボート組。小さい魚メインで、どうということはなかった。ガラパゴスにいると、ビーチだけですごく感動的なので不感症気味になるんですよ。

2時間くらい過ごして、船に戻る。船に戻るときはチームに関係なく「戻りたい人おいで〜」的にゴムボートに呼ばれた。アクティビティに出る際は毎回出入り口に置いてあるモニター画面に「参加します」マークをつける。タッチパネル式。そして船に戻った時には点呼があって、部屋番号を申告する。そうやって行方不明の人が出ないように管理しているのだ。
我々が乗船した時は閑散期だったみたいで、乗客は6割くらいしかいなかった。それでもゴチャゴチャしていて人間管理するの大変そうだった。

部屋に戻ってシャワーを浴びて、水着を干す。午前と午後のアクティビティ両方で水に入る人は水着もラッシュガードも2つ持ってきた方がいい。私は1日に1回以上水に入る気はなかったから使用後はすぐに洗って干しておき翌日まだ同じものを着た。1日に2回以上水に入るのは、ハードなスノーケルに参加する人々である。沖の方でボートから海に入る形式のスノーケル・ツアーがほぼ毎日ある。みんなけっこう参加するんだよね…。レギュラー・アクティビティだけでも疲れ果ててスキップしたりしていた私からすれば彼らは超人たちですよ。

ブッフェ式の美味しいランチを食べて、部屋で一休みするとすぐに筋肉ムキムキ放送が流れる。
「お前ら!ランチをたらふく食ったな!それならすぐにブリーフィング会場に来い!それが終わったらすみやかに装備を整えて乗船口に集まれ!午後の探検に出発だ!朝はAlbatrosチームが最初だったから今回はBoobyチームからだ!」
出発順は不公平にならないように毎回別のチームが先頭になるシステム。


午後の上陸地点はPunta Suarez。同じエスパニョーラ島だけど、全く違う景観。


黒い溶岩とイグアナと海。ガラパゴスらしい景色。


「Stopイグアナ」
このサインは「この先侵入禁止」の意味。

アクティビティの難易度がブリーフィングで説明される。Punta Suarezは溶岩がゴツゴツした道をトータル40分程度歩くので「難易度高め」と説明された。足に障害のある人や杖が必要な人には無理、とのことだった。私は体力に自信がないので不安だったのだが、特に大変な行程ではなかったよ。確かに不安定な溶岩の上を歩くのでちゃんとした靴は必要だけど、ガイドをしながら歩くので、スピードもゆっくりめ。靴はKeenのウォーター・サンダルでOK。


こんな茫漠とした素敵な景色の中を歩く。


ここはアホウドリの営巣地域として有名なのだ。


この動画を是非ご覧ください。アホウドリのカップルたちは、日がな一日こんなことをして過ごしているのだそう。


ナスカツオドリ。


最後はこんな断崖絶壁にたどり着く。


波が高く吹き上げるポイントもある。


虹も出ていた。
船から降りた場所まで引き返す必要はなく、到着したポイントにお迎えのボートが来てくれる。


力尽きたアカハシネッタイチョウ。

今回上陸した島の中で一番魅力的だったのがエスパニョーラ島だ。
いわゆるガラパゴスらしい景観が全て見られるし、ビーチは超きれい。動物も多様で飽きない。もしクルーズを選ぶ際、上陸する地点に迷ったらエスパニョーラ島を選んでおけば間違いないと思う。

夜、船がけっこう揺れているので酔ってしまい、ディナーはほとんど食べられなかった。私は超小食なのでディナーはスープと前菜だけでいい、とお願いしたのだけれど、それすら完食できず。

フロントで酔い止めをもらい、胃腸薬を飲んで寝る。フライング・パイレーツのごとく揺れ続ける船。すでに酔ってしまっていたせいか、薬が効かず何度か嘔吐。吐いたら楽になって眠れたが、これは地獄だな…。
「大型船なので寝ている間に移動できて楽!」「優雅な島巡り!」などとネットには書き散らかされているけど、それ嘘だから。たしかにガラパゴスレジェンドは諸島巡りにおいては一番安楽な乗り物だと思うよ。揺れにくい大型船だし、食べ物も船とは思えないレベルの高さだし、スタッフすごくちゃんとしてるし。しかし、それでも相当過酷だから。ブログなどでも、みんな嘘書くのやめた方がいい。せっかくの旅行だからって、良い事ばかり書くのやめようよ…。
かつて姉が小型船でガラパゴス周遊して「生き地獄だった」と語っていたのだか、そこに誇張はなかったのだろうな、と今なら理解できる。大型船でこれだもの。姉は2度とガラパゴスには行かないと宣言していたよ。しかし同時にガラパゴスはスゴい所で人生観が変わるよ、とも言っていたが。
6〜11月は海況が荒れるらしいので、それ以外の季節に行くとマシかも。暖かいしね。

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